2007年6月1日金曜日

予感


昔原宿はあっけらかんとしていた。カメラマンの事務所やデザイナーやコピーライターやその他もろもろいっぱいいた。うようよいた。活気の中で取り残されまいとする熱気があった。「時代はあっと言う間に変わる」というウィスキーのコピーがあったような。ラフォーレなんて時代を創ってるみたいな空気があったぞ。単なるテナントビルなのに。
クールな原宿。
日本が悩んでいる。いや思い詰めている。と言った方が正しいかも。進むべき道が見えないのか、わからなくなっているのか。
僕もついそうなっちゃうじゃないか。

雲はいよいよ低くなってきた。

2007年5月30日水曜日

寓話


その娘は窓辺で遠くを見ながら時々ノートに視線を落とした。そして決心したように何かを書き綴る。遠くを見る、思い込む、書く。その一連の動作は飽きる事なく続いていた。コピーライターか編集ライターか・・・。わからないけど向こうは何かを必死で産み出そうとしている。僕は必死で本を読んだ。う〜ん、かっこいいのはあっちだな。

殯(もがり)の森


彼らは延々と空の回廊を周回していました。6機。レンズがワイドだったので見た目よりさらに遠い感じになりました。ヘリの音は延々続き、それを見上げていると死者を弔おうとしている軍団のように見えました。「古事記」や「日本書紀」などによると、死者を生前と同様に扱って蘇生を願いつつ、死を確認する過程を兼ね、それとともに死者の霊魂を恐れ、慰める意味を持っていたという、「殯(もがり)の森」の話です。(これ知人の引用です)
空を回遊するヘリは某大臣の野辺送りを執拗に狙っていたのでしょう。
情けない気持ちで新幹線に乗り、さらに情けない時間をかの地で過ごしました。
木を見て森を見ない会話の連続に唖然としながら・・・。

帰り新幹線で今日の出来事を密かに想い、祈るような気持ちになり、つい酒をふたつ。
(こんなところがだめなんだと言いながら)
そして日本人がだめになっていくのは軽薄だからなんだ、と確信したのでした。