2007年12月4日火曜日

げに人の世は


さるお方とさる番組制作会社の社長とお会いした。
高邁な考えの持ち主のお方だった。
現実とのギャップを実に嘆いておられた。
スタッフの方の鬱屈した話し方も気になった。
きっと社長の考えを実感されているのでしょう。
会社を経営していく事は常でも大変な事だが、その実態は想像を超えていそうだった。
「もう一年半も立て替え」ていたり、局の意向に何で折り合いをつけるかだったり。
その中で良質を求めていく事のすさまじさに感銘に近いものを受けた。
以前訪れた広島、鞆の浦。
福禅寺、対潮楼から望む弁天島、仙酔島。
ここの和尚は「見なされ。この枠は人の一生である。暦はかく流れ、人の世のうたかたはかくも哀れなれば・・・」というような事を歌うように講釈していた。
「日東第一形勝(朝鮮より東で一番美しい景勝地という意)」と賞賛されたその景色を日本の漢学者や書家らは愛でたという。
まことに穏やかなその景色は日出るより落日まで誠に味わい深いらしい。
日本を覆いまくっている格差は古代からあるのだろうが、昔は「ひとかどの人」がいたのだろうに。
社長!その苦労、よくわかります。

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